Works施工事例
横浜市 M様邸 棟瓦積み直し工事【File No,2】
こんにちは。Re:zen~りぜん~@横浜です。
横浜市のM様邸の、棟瓦積み直し工事をおこなっていきます。
今回、ハシゴでの昇降になりますので安全面に十分注意して
作業を進めていこうと思います。
M様宅の屋根は棟違い形状になっています。棟瓦が2列ありますので1列ずつ
施工していこうと思います。写真の平瓦が土台の『熨斗(のし)瓦』丸い瓦が
頂上で納まる『冠瓦』と言います。双方とも取り外して仮置きをしておきます。
瓦を外しますとボロボロになった葺き土が現れます。撤去後に清掃。
まず屋根面の端にある『鬼瓦』をステンレス線で固定します。
棟部分の瓦をまっすぐにする為にも水糸を張って施工していきます。
以前は土台に葺き土を盛ってから、表面を漆喰で仕上げる2工程でした。
しかし経年によって漆喰にヒビ割れが発生し、葺き土と漆喰の間には隙間が生じて密着性
が悪くなってきます。強風時などにより漆喰の剥がれがおきてしまう事が多々ありました。
近年では1工程で仕上げれる施工方法があり、使用する製品は『シルガード(南蛮漆喰)』に
なります。消石灰・炭酸カルシウム・繊維・防水材(シリコン含む)などが合わさり耐久性や
防水性に優れている製品です。シルガードの色には白色と、黒色があります。
半円状の漆喰部分の呼び名は『三日月』や『棟下』と呼ばれています。
シルガードを盛る際には、仕上げになる三日月部分は綺麗に整えていきます。
シルガードを盛って、1段目の熨斗瓦をのせていきます。
熨斗瓦と熨斗瓦の合わせ部分には、瓦ズレ防止のためにコーキングを充填。
半分の熨斗瓦を2段のせてから、最後の熨斗瓦3段目をのせていきます。
最後の熨斗瓦をのせ終わりましたら、シルガードをのせて頂上の冠瓦の設置。
上下の瓦同士、冠瓦と冠瓦の重ねにもコーキングを充填。
冠瓦と鬼瓦の取合いにもコーキングを。
1列目の棟瓦の積み直しは完成になります。
引き続き、2列目の積み直しも進めていきましょう。
シルガードの粘着性を良くするために、瓦の1段目を外して土を清掃します。
こちらでも鬼瓦を設置後、まっすぐに水糸を張ります。
熨斗瓦1段目。
熨斗瓦3段目。
熨斗瓦合わせにもコーキング。
棟瓦の積み順はシルガード→1段目熨斗瓦→シルガード→2段目熨斗瓦
→シルガード→3段目熨斗瓦→シルガード→冠瓦と施工していきます。
シルガードを過不足なく盛っていくのは職人の感覚ですね!
棟違いの部分です。工事前には漆喰が剥がれ落ちてしまっていましたが、
シルガードを詰め込んで綺麗に仕上がっております。
鬼瓦、冠瓦、熨斗瓦それぞれにコーキングを充填。
これで2列の棟瓦の積み直しは完成となります。工事前に瓦の浮きが
見られた箇所は出来る範囲で修正させていただきました。
棟瓦部分は20年ほど経つと、経年劣化によって三日月漆喰が欠けてきたり
棟瓦を結束している銅線が切れて冠瓦、熨斗瓦がズレてしまったりします。
瓦本体にも強風時など天候のダメージが積み重なって、瓦のヒビ割れやズレ
などが確認できる頃です。瓦屋根を長年維持されたいのでしたら20年ぐらい
に1度のタイミングで点検することをオススメいたします。
今回、工事をしました棟瓦積み直しですが…近年では棟瓦撤去後に耐震金具
と鉄筋を棟の芯に取り付ける耐震工法もありますので、お問い合わせ下さい。
施工中はお客様をはじめ、近隣の皆様にもご不備や
ご迷惑をおかけ致しましたが無事に作業が終わりました。
この場を借りてお礼申し上げます。
【File No,1】そして今回の計2回でお送り致しました。
Re:zen~りぜん~@横浜